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高品質の牛乳、安心・安全な食肉をお届けできるよう頑張っています~産直商品生産者など

2018年09月07日

全国各地で台風や地震等による甚大な被害がでています。被災された皆様にはこころよりお見舞い申し上げます。

県内も西日本豪雨災害から2カ月が経過しましたが、いまだに不便なくらしをされている方も多くいらっしゃいます。1日も早い復興をお祈り申し上げます。

そんな中、被災されたコープえひめの産直牛乳、産直豚の生産者や食肉処理業者も復旧に向けて頑張っていますのでご紹介いたします。

 

【西予市野村の「コープラン美し牛乳」の酪農家】

  乳牛の産地である東宇和管内には49軒の酪農家がいて、そのうち野村には42軒が集中しています。今回の西日本豪雨ではトウモロコシなどを植えている自給飼料の畑が浸水被害を受けたところはありましたが、牧場が直接、浸水やがけ崩れの被害を受けたところはありませんでした。ただ、停電と断水が酪農に深刻なダメージを与えました。

▲牛舎の前で三瀬寿登さん

野村で乳牛80頭を飼育している三瀬寿登さんが停電に気付いたのはその日の3/4ほど搾乳をしたところ。町まで降りて停電の規模の大きさを知りました。停電になると搾乳機が動きません。乳牛は1日に2回は搾乳しないと、乳がたまってしまい、ひどい場合は死んでしまうこともあります。すぐに発電機を借りて残りの搾乳をしました。しかし、乳を冷蔵保存する「バルククーラー」が使用できず、搾った乳は廃棄せざるを得ませんでした。また、牛舎の扇風機も使えず、暑さに弱い乳牛には過酷な環境となりました。三瀬さんの牧場で2日間、他の所は3~4日間停電は続いたといいます。

▲畜産総合振興センターにて井関吉博さん

断水の影響も深刻でした。三瀬さんの牧場は幸い電気があれば水は確保できる環境で、発災直後もタンクなどに残っていた水で対応できましたが、10日間断水が続いた牧場もありました。牛1頭あたり1日に約100キロの飲料水が必要です。さらに搾乳機やバルブクーラーを洗浄する水も必要となります。そこで、県酪農業協同組合連合会が西予市野村町畜産総合振興センターに毎日水を搬入しました。多い時は6.5tから13tの水が入るローリーを7台用意したといいます。近隣の酪農家が水を求めてやってきました。乳牛100頭を飼育している野村の酪農家の井関吉博さんは、毎日500キロのポリタンクに25回ほど水を運んだといいます。朝の5時から夜12時まで水の運搬だけで一日の大半がつぶれました。それでも水は足りなかったとのことです。井関さんは自宅も被災されており、本当に大変な毎日だったと思います。

三瀬さんも近くの酪農家の水の確保を手伝いました。三瀬さんは「地域の人たちも大変でボランティアの人たちが来てくれて助かりました。我々も東宇和管内の酪農家の仲間同士で助け合って頑張ってきました」と言います。そして、「発災後に乳牛のエサを減らしたことの後遺症やこの暑さで乳牛のコンディションはまだ良くはありませんが、9割程度は回復できています。これからも徐々に復旧できるよう頑張り、高品質の牛乳をお届けしたいと思います」と話してくれました。

 

【鬼北町の産直豚指定農場の酒井ピッグファーム】

鬼北町広見でコープえひめの指定農場として親豚約190頭、子豚約2000頭を肥育している酒井ピッグファーム。酒井さんは、雨が強い中、徹夜で見守りをしていましたが、朝6時くらいから雨脚がひどくなり、倉庫には1.2mほどの土砂が押し寄せ、事務所は床下浸水、豚舎では豚が首まで浸かり、機械類も浸かりました。

▲酒井ピッグファームの左より酒井美子さん、栄一さん、庸裕さん

水がなかなか引かずに豚は4時間ほど立ちっぱなしでした。豚にはストレスはかかりましたが、全頭無事でした。機械類はモーターなどがだめになって使えなくなりました。そのため、糞尿の処理などが大変で1週間は夜中まで働きづめでした。機械類の器具の取り寄せに3~4カ月かかるものもあり、機械修理のことなどを考えると、一時は廃業も考えました。ただ、電気、水道は大丈夫で、餌やりなども問題なくでき、育成のお母さん豚の体重がさほど増えないということはありましたが、豚の生育はおおむね順調です。

問題は、大洲の食肉処理場のアイパックスが被災して、豚が出荷できなかったことです。今は大分の食肉処理場に送っていますが頭数の制限があります。そのため豚が増え、豚舎の予定頭数にせまってきています。また、豚は重量オーバーになると等級が落ちます。大分までの輸送費も余分にかかります。

発災時は近所の人が手伝いに来てくれたり、消防団の人が助けに来てくれたりと地域の中で助け合いました。その後の暑い中の作業で酒井さんも熱中症になったとか。豚も暑さに弱いので1時間おきに水をかけています。近くの山はまたいつがけ崩れが起きてもおかしくない状況で、ずっと不安なままで過ごしています。今後は底上げなどして豚舎の建て替えも検討したいといいます。

酒井さんは「うちが出荷できないことでコープえひめの組合員さんにご迷惑をおかけしていませんか?」と心配されていました。コープえひめの豚肉は代替えなども含めて対応できましたが、県外への輸送に時間がかかることもありチルド商品で企画できないこともありました。「組合員さんも被害を受けていて大変かと思いますが、私たちもいい肉をお届けするためがんばっています」と話してくれました。

 

【県内唯一の食肉処理場「JAえひめアイパックス株式会社」】

大洲市にある県内唯一の食肉処理場である「JAえひめアイパックス」。1.5mの浸水で、加工場は1mかさ上げしており50㎝ほどの浸水でしたが、機械類が浸かりモーターや配電盤などがだめになりました。もともと遊水地となっている場所で、8時間ほど浸水が続いたといいます。1週間ほど停電して、地下水も使えない状況が続きました。施設内にあった肉は産業廃棄物として豚約200頭分、その他の製品を合わせると合計200トンの肉を廃棄せざるを得ませんでした。

施設が稼働できないことから、新たな受け入れもできません。生産者も10日間は出荷できない状況が続きました。そこで、JA全農えひめが奔走して、西日本各地の11カ所の食肉処理場で牛や豚を50頭から100頭ほど受け入れてもらえることになりました。牛や豚を輸送する車のチャーターや運転手の確保なども大変だったといいます。アイパックスは県外へ出荷する豚の係留場になっていて、ここに集められた豚を、詰め替えて九州方面などに送っています。

県外の食肉処理場も通常の業務に上乗せとなり受け入れは大変なことだそうです。アイパックスの職員30名が県外の食肉処理場に手伝いにも行きました。ただ、生産者にとっては、成長しすぎて規格外になる豚が増えること、エサ代、運賃がかさむなど大変です。

▲アイパックスの中原一憲代表取締役社長(左)と中川達也常務取締役(右)

8月末現在、電気はほぼ復旧し、機器も概ね9月には入り、917日の週から試験稼働します。汚水をきれいにする浄化槽の状態を見ながら、普段700tから800tの処理をするところ、100tから200tで稼働して、浄化槽の状況を見ながら10月の中・下旬には本格稼働できるようにしていきたいとのことです。機械類は特注ですので一部稼働できていないものもありますが、当面は人海戦術で乗り切るようにします。今後は、食肉協議会で協定を結ぶなど有事の際の仕組みを作っていきたいとのことです。

アイパックスの中原代表取締役社長は「県内産の食肉を扱う産地型の県内唯一の食肉処理場で、みなさまに迷惑をかけていますが、復旧も期待されています。これからも安心・安全な食肉を届けるように努力します」と話していました。

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