
2017年11月04日
こんにちは!今回は、ヒスタミン食中毒についてお話します。赤身魚を食べて口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましんが出たりしたことはありませんか?これはヒスタミンによる食中毒かもしれません。
ヒスタミン食中毒は、食べた直後から1時間以内に顔面、特に口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、嘔吐、下痢などの症状が出ます。食物アレルギーと同じような症状ですが、免疫反応によるものではなく一過性で食物アレルギーとは区別されます。発症後は、通常24時間以内には回復します。
ヒスタミンが生成される仕組みは、魚が持っているヒスチジンというアミノ酸が、ヒスタミン生成菌の産生する酵素の働きでヒスタミンに変化します。ヒスチジンの量は、赤身魚に多く、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、ブリなどが代表的です。ヒスタミン生成菌は、海にいるものや人や動物の腸管内にいるものなどたくさんの種類があり、加工中に汚染される場合もあれば、水揚げ時にすでに汚染されている場合もあります。ヒスチジンが多量にあってもヒスタミン生成菌が増殖しなければヒスタミンは生成しません。このヒスタミン生成菌を増殖させないようにすることが大切です。
<予防方法>
魚は鮮度に気を付け、適切に保存して、おいしくいただきましょう。
2017年11月04日
こんにちは!今回は、ボツリヌス菌についてお話します。今年に入って、「乳児ボツリヌス症」による死亡例が報告されました。ボツリヌス菌ってどんな菌でしょうか?
ボツリヌス菌は、土壌や海、湖、川などの汚泥中に分布している嫌気性菌(生育に酸素を必要としない菌)で芽胞を形成します。芽胞は低酸素状態に置かれると発芽・増殖して毒素を出します。
ボツリヌス症には、食品中で増えた毒素を食品と共に摂取した時に起こる「ボツリヌス食中毒」と乳児に発生する「乳児ボツリヌス症」等があります。
原因食品は、酸素のない状態になっている保存食品・発酵食品で、ビン詰、缶詰は特に自家製のもの、容器包装詰め食品(レトルトに類似しているが、120℃4分の加熱処理がされていないもの)。ボツリヌス菌が増殖すると容器が膨張し、開封すると異臭がする場合があります。乳児ボツリヌス症は、蜂蜜や自家製野菜スープなどが感染源として報告があります。1987年10月厚生省が「1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないよう」通知を出しました。
予防方法
蜂蜜の包材には「1歳未満の乳幼児には与えないでください。」という注意書きが記載されています。
2017年11月04日
こんにちは!今回は、最近よく耳にするアニサキスによる食中毒についてお話します。食中毒の原因物質別にみるとノロウイルス、カンピロバクターに次いで3番目に多く発生しています。
アニサキスは、鮮魚介類に寄生する寄生虫の一種です。特徴は、アニサキス幼虫は長さ2~3㎝、幅0.5~1㎜くらいで、白色の少し太い糸のように見えます。寄生場所は主に内臓ですが、鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動することが知られています。主に寄生している魚種は、サバ、イワシ、カツオ、サケ、サンマ、アジ、イカなどです。
症状は、アニサキス幼虫が寄生する魚介類を食べた後、2~8時間後に激しい腹痛、吐き気、嘔吐を生じる胃アニサキス症と、10時間後以降に激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じる腸アニサキス症があります。多くが胃アニサキス症です。
【予防方法】
※塩・わさび・酢などで調理しても、一般的に調理で使う程度の量や濃度ではアニサキスは死滅しません。
写真提供:厚生労働省
調理には十分に注意して食中毒を予防しましょう。