
2018年11月19日
こんにちは!
今年の夏は、松山市の気温統計資料によると、35℃を超えた猛暑日が11日、30℃超えた真夏日が56日あったようです。暑かったですね。
愛媛県から今年発令された食中毒注意報は、「腸炎ビブリオ食中毒注意報」が1回「細菌性食中毒注意報」が5回ありました。回数的には、例年並みでした。これからの季節は「ノロウイルス食中毒注意報」が発令されます。気を抜くことなく注意が必要ですね。
前回から、「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」を分けて紹介しています。
今回は、ポイント②家庭での保存です。
■冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
■冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、7割程度です。
■冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は、マイナス15℃以下に維持することがめやすです。温度計を使って温度を計ると、より庫内温度の管理が正確になります。細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃では増殖が停止しています。しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。
■肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。
■肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手指を洗いましょう。せっけんを使い洗った後、流水で十分に洗い流すことが大切です。簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。
■食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。また、直接床に置いたりしてはいけません。
細菌は、目にみえません。細菌が付いていてもわかりません。五感を働かせて、少しでもおかしいなと思ったら食べることは控えましょう。
2018年09月18日
こんにちは!前回は、食中毒予防の三原則についてお話しました。今回は、家庭での食中毒予防について食品を購入してから調理して食べるまでに三原則(つけない、ふやさない、やっつける)をどのように実践すればいいのか、具体的な方法を厚生労働省が「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」としてお知らせしています。
6つのポイント
①食品の購入②家庭での保存③下準備④調理⑤食事⑥残った食品
今回は、①のポイントを紹介します。
ポイント①食品の購入
■肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。
■表示のある食品は、消費期限などを確認し、購入しましょう。
■購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。
■特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう。
紙面の都合でポイントを分けて紹介することになりますが、食事は毎日のことです。気を付けるポイントを参考にして食中毒の予防に心がけてください。
2018年07月16日
こんにちは! いよいよ食中毒シーズンの到来です。前回は、手洗いの大切さをお話ししました。今回は、食中毒予防の三原則についてお話します。細菌が増殖するためには、「栄養」「水分」「温度」が必要です。この3つの条件がそろって時間が経つと菌が増殖し食中毒を起こす可能性が高くなります。が、食中毒予防の三原則を守ることで細菌性とウイルス性食中毒は予防することができます。
1細菌をつけない(清潔) 手洗いはもちろんのこと、まな板、包丁、ふきんなどもしっかり洗い、漂白剤や熱湯などで定期的に消毒しましょう。汚れはしっかり洗い落さないと細菌にエサを与えることになります。また、洗い終えたらしっかり水分を拭き取ることも重要です。
2増やさない(迅速) 細菌の増殖には温度が最も重要です。すべての細菌は増殖に適した温度(至適温度)と、増殖温度範囲があります。一般的には、20℃から45℃が増殖最適温度帯です。
冷蔵保存しなければいけない食品を買った場合は、すぐ冷蔵庫に入れましょう。10℃以下の冷蔵がふやさない基本です。(4℃以下がベストです)
また、冷蔵庫、冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。冷凍食品の解凍を室温で行うことは禁物です。中心部が解凍されるまでの時間に表面温度は室温と同じ状態が続くので、細菌を増やすことになります。冷凍された食品の解凍は、冷蔵庫内で行うか,電子レンジを使いましょう。作った料理は早めに食べましょう。2時間以内に食べることをお勧めします。
3やっつける(殺菌する) 加熱して調理する食品は、中心部が75℃で1分以上、ノロウイルスは85℃1分以上、十分加熱しましょう。また、残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。
以上のことを守って食中毒にかからないように気を付けましょう。
2018年05月21日
こんにちは!今回は、食中毒シーズンに向けて予防の方法を何回かに分けてお話します。
今回はまず食中毒予防の基本中の基本、手洗いについてお話します。一時的に食中毒を起こす病原微生物が人の手に付くと、その手は、病原微生物の運びやになります。が、一時的に付いた病原微生物は手洗いをすることで除くことができます。手洗いをすることは、自分の身を守るためだけでなく周りの人の身も守ることができます。
手洗いのタイミングは、
①調理を始める前
②トイレの後
③食材が入っていたトレイや包装材などに触れた後
④調理作業中に
・生鮮食品に触れた後(肉、魚など)
・そのまま食べるもの(サラダ・和え物・刺身・玉子焼き・漬物など)の調理や盛付をする前
手洗い方法は(厚労省手洗いポスターより)
①流水でよく手をぬらした後、石鹸をつけ、手のひらをよくこする。②手の甲を伸ばすようにこする。③指先・爪の間を念入りにこする。④指の間を洗う。⑤親指と手のひらをねじり洗いする。⑥手首も忘れず洗う。⑦十分に水で流す。⑧清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かす。⑧消毒用アルコールを手指にすりこむ。手順①~⑥までの手順を繰り返し2度洗うとより効果があります。好きな歌でもハミングしながらしっかり洗いましょう。(ハッピーバースデーを歌うなら2回だそうですよ)
手洗いのポイントは
・爪は短く切っておきましょう。
・腕時計や指輪ははずしましょう
・薬用石けん、逆性石けんを使うとより効果があります。(ただし、ノロウイルスに対しては十分な効果が実証され ていません)
・石けんはよく泡立てましょう
・消毒用アルコールは手の水気をとってから使いましょう
・手を洗った後は、手荒れを防ぐためにハンドクリーム等でお手入れをしましょう
余談ですが、商品検査室では、手洗いチェッカーを購入しました。クリームを手全体に付け、普段通りの手洗いを行い、その手をブラックライトにかざすと洗い残しの部分が紫色に光ります。実際にやってみると爪の生え際、指の間、手首など洗い残しがありました。
一般的に、指先と手の甲は、洗い残す人が多い傾向にあり、利き手は、反利き手に比べて洗い残しが多いそうです。指先や爪の間、手のしわなど汚れが残りやすいところや利き手は意識して丁寧に洗いましょう。
正しい手洗いで食中毒を防ぎましょう。
2018年03月19日
皆さんは、期限表示を見て食品を購入していますか?食品の期限表示には「消費期限」と「賞味期限」の2種類があります。今回はこの期限表示についてお話をします。
▲消費期限(CLもめんとうふ)
基本的にすべての加工食品(一部の食品を除く)には期限表示がされています。
消費期限とは、開封していない状態で、表示された方法を守って保存された場合に「○年○月○日」までは安全に食べられる期限のことです。品質の劣化が早く、長く保存ができないもの(だいたい5日以内)に表示されています。たとえば、お弁当、サンドイッチ、ケーキ、惣菜、豆腐などです。消費期限を過ぎた食品は、食べるのはやめましょう。
賞味期限とは、開封していない状態で、表示された保存方法を守った場合「○年○月○日」まで美味しく食べられる期限のことです。
▲賞味期限(CL美し牛乳)
品質の劣化が緩やかで、ある程度の保存期間がある食品に付けられています。たとえば、スナック菓子、即席めん、 缶詰、牛乳、乳製品などです。3カ月以上の場合は「○年○月」のみの表示にすることができます。
また、砂糖、塩など品質劣化が少ないものは表示義務がありません。アイスクリームなども同様でマイナス18℃以下の冷凍保存状態であれば微生物の繁殖がしにくいため賞味期限表示がありません。
賞味期限は、過ぎても食べられなくなる訳ではありません。色やにおい、味など五感を働かせて判断しましょう。
「消費期限」「賞味期限」も、袋や容器を開けないで、書かれている保存方法を守った場合、安全や美味しさを約束したものです。
一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。
期限表示の意味を正しく理解して、食品を無駄にしないようにしましょう。
2018年01月22日
こんにちは!体調管理が難しい時期ですね。今回は、以前にもお話したことがあるノロウイルスについてもう少し詳しくお話します。
ノロウイルスは、食中毒を起こす微生物として、原因物質別事件数、患者数とも第1位になっています。去年の2月には、「刻みのり」を原因とした大規模な食中毒が発生しています。これは、一人のノロウイルスが1193名の食中毒を引き起こしました。
潜伏期間は、24時間~48時間。主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱は軽度(37~38℃くらい)です。通常は、これらの症状が1~2日続いた後治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
感染経路は、
①汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分加熱調理しないで食べて感染。
②食品の製造に従事する人、飲食店の調理従事者、家庭で調理を行う人が感染して、その人を介して汚染された食品を食べて感染。
③ノロウイルス感染者の嘔吐物やふん便に接触した手などにノロウイルスが付着して感染する二次感染。
④家庭や集団生活の場(老人施設、病院、保育園、幼稚園、学校など)、人との接触する機会が多いところで咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸引することで感染する飛沫感染などがあります。近年では、②のような食品取扱者を介して汚染された食品を原因にする食中毒が増加しています。
予防方法は、
①調理前やトイレの後の手洗い消毒を徹底しましょう。
②手洗いの後、使用するタオル等は清潔なものを使用しましょう。
③細菌と異なりノロウイルスはアルコールに抵抗性が高いので、まな板、包丁、ふきん等は、熱湯や消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)を用いて消毒しましょう。
④二枚貝の生食は避け、十分に加熱(85℃~90℃、90秒以上)しましょう。
⑤患者の便、おう吐物の処理には細心の注意をし塩素系漂白剤で消毒しましょう。処理後はよく手を洗い、うがいをしておきましょう。
愛媛県、松山市では、平成16年度から食中毒注意報発令要領に基づき、食中毒の多発が予測される時期に、「食中毒注意報」を発令し、食品衛生に関する注意喚起を行っています。
平成29年11月7日から平成30年1月15日まで「ノロウイルス食中毒注意報」が発令されていました。まだまだ注意が必要です。
ポイントは、加熱、手洗い、消毒です。